バスケットボールコートを作ろうと考えたとき、最初に気になるのが「床の費用」ではないでしょうか。
学校や地域の体育施設、屋外コート、自宅の庭など──どんな場所に設けるかによって、選ぶ床材も大きく変わります。
「できるだけ安く仕上げたい」「でも滑らず安全な床にしたい」「耐久性があって長く使えるものにしたい」──そんな希望を叶えるには、床材の特徴とコストをしっかり理解しておくことが大切です。
この記事では、バスケットコートの床材ごとの費用相場、特徴、メンテナンス性、耐久性、施工上の注意点をわかりやすくまとめています。
実際の工事現場で培った経験をもとに、どんな条件でどの素材を選ぶのがベストなのか、リアルな視点で解説します。
バスケットコートの床材費用は素材と広さで変わる
バスケットコートの床は、「滑り」「弾み」「水はけ」「日射の影響」など、さまざまな条件を考慮して選ぶ必要があります。
特に屋外コートでは、雨・風・紫外線による劣化が早く、素材選び=メンテナンスコストの差にもなります。
| 床材の種類 | ㎡単価の目安(材料+施工費) | 特徴 | 適した用途 |
|---|---|---|---|
| コンクリート | 約10,000~15,000円/㎡ | 高耐久・安定したバウンド | 屋外・公共施設 |
| ゴムチップ | 約13,000~23,000円/㎡ | 衝撃吸収・透水性あり | 学校・地域コート |
| 人工芝 | 約7,000~15,000円/㎡ | 柔らかく安全・デザイン性◎ | 個人宅・多目的コート |
フルコート(約420㎡)で計算すると、総費用は以下の通りです。
| 床材 | 総額目安(約420㎡) |
|---|---|
| コンクリート | 約420万円~ |
| ゴムチップ | 約546万円~ |
| 人工芝 | 約294万円~ |
このほか、ライン塗装やフェンス設置などの付帯費も必要になります。
各床材の特徴と施工ポイント
コンクリート床|耐久性に優れた定番
もっともベーシックな素材で、硬く平滑なためボールの弾みが安定。屋外でも長持ちします。
費用は10,000~15,000円/㎡程度で、420㎡なら約420万円前後が目安です。
注意点: 水を通さないため、排水勾配が重要。雨水が溜まると滑りやすくなり、凍結割れの原因にもなります。
また、夏場は高温になるため、遮熱塗料を塗布すると快適性が向上します。
ゴムチップ床|足腰にやさしい快適性重視
ゴム粒とウレタン樹脂を混ぜて施工する弾性舗装。衝撃を吸収し、足腰への負担を軽減します。
費用は13,000~23,000円/㎡で、下地にはアスファルトまたはコンクリートが必要です。
特徴: 透水性があり、雨後でもすぐ使用可能。紫外線劣化対策としてトップコートを5年ごとに再塗装すると長持ちします。
人工芝床|デザイン性と安全性を両立
柔らかく安全で、転倒時のケガを防げる人工芝。費用は7,000~15,000円/㎡で、420㎡なら約294万円前後。
芝丈や色を選んでデザイン性を高められます。スポーツ用黒ゴムチップ入りタイプなら反発性も向上します。
注意点: 長期間で芝が寝るため、定期ブラッシングと充填材補充が必要です。
付帯設備にかかる費用
| 項目 | 費用目安 | 補足 |
|---|---|---|
| ライン塗装・ロゴ入れ | 約17万4900円 | チームカラーやロゴ追加で変動 |
| バックボード・リング | 約36万円 | 屋外用は防錆仕様が必須 |
| フェンス(20m) | 約44万円 | 安全確保・ボール飛散防止 |
| 諸経費・管理費 | 約16万7500円 | 資材搬入・現場管理など |
総額では、フルコート一式で500~1,000万円前後が現実的です。
グレードを上げるほど費用も上がりますが、安全性・耐久性・快適性も比例して向上します。
屋外コート施工時の注意点
排水と基礎の安定性が最重要です。
下地が不十分だと、雨水滞留や地盤沈下により床が波打つリスクがあります。
寒冷地では凍結防止のために水抜き層を設けるなど、気候に合わせた設計が必要です。
また、日当たりや風通し、使用季節を考慮して設計すれば、完成後のトラブルを防げます。
メンテナンスで寿命を延ばす
- コンクリート: 3〜5年ごとに防水・遮熱塗装を再施工
- ゴムチップ: 5〜7年でトップコート再塗装
- 人工芝: ブラッシング・充填材補充で10年以上維持
月1回の清掃で、落ち葉や泥による排水詰まりを防止。屋外コートでは特に排水メンテが重要です。
費用を抑えるコツと業者選び
- 既存のコンクリートを再利用してゴムチップを重ね施工(最大30%削減)
- 半面コートやミニコートにする(費用半減)
- 自治体の補助金制度を活用(助成率1/2の事例も)
業者を選ぶ際は、「施工実績」「排水・防水設計の知識」「アフターフォロー」を必ず確認しましょう。
安さ重視の業者では、後から補修費が膨らむケースもあるため注意が必要です。
素材選びがコートの価値を決める
バスケットコートづくりは、単なる工事ではなく“人が集まる場所づくり”です。
素材の特徴を理解し、使用目的と予算に合った床を選ぶことが、長く愛されるコートへの第一歩です。
株式会社霜鳥では、公共施設から個人宅コートまで幅広く対応。
地盤調査から施工・塗装・設備設置まで一貫施工で、地域の気候や環境に最適な提案を行います。
「安全で長持ちするコートをつくりたい」「地域の人が集まれる場所を作りたい」。その想いを、私たちが形にします。





















