体育館の床を歩いたとき、「足にトゲのようなものが刺さった」──その原因とは?
体育館の床は一見ツルツルして見えても、年月とともに木材が乾燥・収縮し、表面が剥がれてささくれが発生することがあります。
これを放置すると、けがや事故の原因になるだけでなく、床全体の劣化を早める恐れもあります。
この記事では、体育館の床にささくれができる原因、応急処置、本格補修、再発防止策までを専門業者の視点で解説します。
体育館の床にささくれができる主な原因
体育館の床にささくれが発生する理由は、木材の伸縮・塗膜の劣化・床材の損傷の3つが複合的に関係しています。
木材の伸縮による割れや剥がれ
体育館の床は四季の温度・湿度に敏感です。
夏は湿気で膨張し、冬は乾燥で収縮します。
この伸縮の繰り返しにより木の繊維が引っ張られ、塗膜が剥がれたり木部が浮き上がったりして、ささくれが発生します。
特に空調や換気の少ない施設では、この症状が起こりやすくなります。
塗膜の劣化による影響
体育館の床はウレタン塗装などでコーティングされていますが、長年の摩耗や清掃剤の影響で塗膜が薄くなると、木部が露出して繊維が割れやすくなります。
滑り止め剤の過剰使用や誤った洗浄も塗膜の早期剥離を招くため注意が必要です。
床材の損傷が引き金に
ボールや器具の落下、機材の移動などで床に傷がつくと、そこから塗膜が剥がれ、ささくれが広がります。
また、水分が入り込むと木が局所的に膨張し、さらに剥離が進むこともあります。
まず行うべき応急処置と注意点
ささくれを見つけたら、できるだけ早く応急処置を行うことが大切です。放置すれば範囲が広がり、修繕コストも増えてしまいます。
1. ささくれを取り除く
浮き上がった部分をカッターなどで根元から切り取ります。
無理に引っ張ると裂けが広がるため注意。
切除後は、ほこりや木くずをきれいに取り除きます。
2. パテで補修する
床用の補修パテを薄く塗り、ヘラで平らに整えます。
乾燥後に軽く研磨して表面を滑らかにすると、一時的な安全性が確保できます。
3. 補修テープで保護する
パテ処理後、専用の補修テープを貼って保護します。
ガムテープやビニールテープは剥がす際に塗膜を痛めるため避けましょう。
ただし、これらの応急処置はあくまで一時的な対策です。
広範囲にささくれがある場合は専門業者への依頼が必要です。
専門業者による本格的な補修方法
体育館の床は広範囲にわたるため、部分修理でも全体の水平や弾力に影響します。
ここでは、業者が行う主な修繕方法を紹介します。
研磨と再塗装で床を再生
ささくれが複数箇所にある場合は、床全体をサンディング(研磨)し、古い塗膜を削り取ります。
その後、新しいウレタン塗装を施すことで、美観と滑り止め効果を回復。
粉塵の少ない「ダストフリーサンディング」を採用すれば、学校や公共施設でも安全に施工可能です。
床板の部分張替え
割れや損傷が大きい場合は、床板を一部撤去して新しい板材に交換します。
既存の色・木目に合わせた施工で違和感なく仕上がります。
張替え後は全体塗装を行い、段差や光沢ムラを防止します。
全面改修によるリニューアル
下地構造まで劣化している場合は、全面改修が必要です。
下地から組み直すことで床のたわみや反りも同時に改善でき、長寿命化につながります。
使用10年以上の体育館では定期的な点検をおすすめします。
定期点検とメンテナンスの重要性
ささくれは突然起こるものではなく、必ず「前兆」があります。
塗膜のツヤが消えた、足触りがザラつく、白く曇って見える──これらは劣化のサインです。
点検のタイミング
- 年度末や夏休み期間に専門業者による定期点検を実施
- 年1回のサンディング点検で塗膜の状態を確認
- 行事や大会前に滑り止め効果をチェック
日常清掃のポイント
モップは乾拭き中心が基本。濡れたモップは木材の膨張を招きます。
また、市販のワックス類は塗膜に合わない場合があるため、使用前に業者へ確認しましょう。
ささくれを防ぐための環境管理
| 管理項目 | 理想状態 | 効果 |
|---|---|---|
| 湿度 | 40〜60% | 木材の伸縮を抑える |
| 換気 | 1日1回以上 | 湿気を逃がしカビを防止 |
| 清掃 | 乾拭き中心・水分を残さない | 塗膜の劣化を防ぐ |
湿度と換気の管理を徹底するだけでも、ささくれの発生を大幅に減らすことができます。
体育館の床のささくれは放置せず、早めの対応が肝心
体育館の床のささくれは、見た目の問題ではなく安全性と耐久性に関わる重要なサインです。
応急処置で一時的に対処することはできますが、根本的な解決には専門技術が必要です。
長野市や北信地域で体育館床のメンテナンスをお考えの方は、地域に根ざした経験を持つ体育館床専門業者へご相談ください。
木材の特性を理解した職人による丁寧な施工で、安全で美しい体育館を取り戻します。
「床のトラブルを見つけたときが、メンテナンスのベストタイミング」。
放置せず、早めに専門家へ相談することが、安心で快適な体育館づくりの第一歩です。
























