冬の冷たい体育館の床に立った瞬間、「この床、少し硬いな」と感じたことはありませんか。
あるいは、バスケットボールの試合中に滑って転んだ子どもを見て、「この床、大丈夫かな」と不安になった経験があるかもしれません。
体育館の床材は、ただの“木の板”ではありません。スポーツの安全性、プレーの質、維持コスト。すべてに直結する重要な建材です。
今回は、国内で多くの学校・体育施設・スポーツセンターに採用されている主要メーカー6社を比較しながら、床材の違いと選び方をわかりやすく解説します。
体育館の床に求められる4つの性能
体育館のフローリングは、家庭用の床とはまったく異なる構造を持っています。
子どもたちが全力で走り、ジャンプし、転がる体育館では、以下の4つの性能が欠かせません。
- 耐摩耗性:何百人が踏み続けても傷みにくい塗装が必要
- 衝撃吸収性:膝や腰の負担を減らす弾力構造
- 滑り抵抗の最適化:滑りすぎず、止まりすぎない適度な摩擦係数
- メンテナンス性:再塗装やパネル交換がしやすく、長持ちする構造
こうした性能を支えているのが、国内外の床材メーカーの技術力です。
主要6メーカーの特徴比較
| メーカー名 | 主な製品 | 特徴 | 主な採用施設 |
|---|---|---|---|
| クリヤマジャパン株式会社 | タラフレックス | 高い衝撃吸収と摩耗耐性。世界大会採用実績あり。 | 学校体育館、スポーツセンター |
| 佐藤工業株式会社 | バーチフローリング | 天然木のぬくもりと耐久性。滑り抵抗を最適化。 | 公立学校、民間体育館 |
| 松原産業株式会社 | 体育館専用フローリング | 公共施設に特化。安定品質と高施工性。 | 自治体体育館、ホール |
| 三洋工業株式会社 | Sanyo SPORTS | 多目的利用向け弾性シート。撤去・再設置が容易。 | 多目的ホール、イベント施設 |
| 染野製作所 | ジムエース | 鋼製床下地構造で高い弾力と反発性。 | 体育館、武道場 |
| 中部フローリング株式会社 | 厚板複合フローリング | 天然木の美しさと寸法安定性を両立。 | 競技場、文化施設 |
メーカー別の特徴と強み
クリヤマジャパン株式会社|世界基準の「タラフレックス」
フランス発の高性能床材「タラフレックス」は、オリンピックなど国際大会でも採用されています。
優れた衝撃吸収性と耐摩耗性を兼ね備え、バレーボールやバスケットボールなどジャンプ動作の多い競技に最適です。
抗菌性能や転倒時の衝撃緩和性にも優れ、安全性の高さで国内導入が進んでいます。
佐藤工業株式会社|天然バーチ材の柔らかさと耐久性
北海道産の天然木「バーチ」を使用した本格フローリング。
しなやかさと強度を兼ね備え、長期間の使用にも耐える設計です。
滑り抵抗を0.5〜0.6に最適化し、競技にもダンスにも適応。
木の温もりを重視する学校や文化施設に人気があります。
松原産業株式会社|公共施設で選ばれる信頼の品質
体育館や文化ホールなど、公共施設向け床材の老舗メーカー。
耐荷重・遮音・寸法安定性のバランスが取れた設計で、寒暖差の激しい地域でも歪みが出にくいのが特徴です。
教育委員会や自治体案件でも採用実績が豊富です。
三洋工業株式会社|多目的施設向けの弾性シート「Sanyo SPORTS」
スポーツだけでなく地域イベントでも活用できる多目的床材。
衝撃吸収層がしっかりしており、床の撤去・再設置が容易。
木製よりメンテナンスが簡単で、コスト面でも優れています。
染野製作所|下地から進化した「ジムエース」
鋼製下地を採用し、床全体の弾力性と反発力を高めた構造。
均一な緩衝性により、長期使用でも性能を維持。
「床が硬い」「音が響く」といった問題を解決する設計で、武道場などにも最適です。
中部フローリング株式会社|厚板複合フローリングの高級感
天然木の質感と高い寸法安定性を兼ね備えた複合タイプ。
湿度変化による反りや伸縮を抑える独自の圧密技術を採用。
見た目の美しさと機能性を両立した高級ラインです。
用途別に見る体育館床材の選び方
| 用途 | おすすめ床材タイプ | 理由 |
|---|---|---|
| 学校体育館 | 天然木フローリング | 教育施設基準に対応。長期使用に強い。 |
| スポーツセンター | 弾性複合フローリング | 多種競技に対応。滑りや摩耗にも強い。 |
| 武道場 | 鋼製下地構造 | 衝撃吸収性と安定感を両立。 |
| 多目的ホール | 弾性シートタイプ | 撤去・再設置が容易。イベント利用に最適。 |
体育館床のメンテナンスと再塗装の重要性
どんな高品質な床でも、メンテナンスを怠れば性能は低下します。
ささくれ・摩耗・塗膜の剥がれは転倒事故につながる危険要素。
文部科学省の基準によりワックスがけは禁止されているため、専門業者によるサンディング・再塗装が推奨されています。
定期的な再塗装により、滑り抵抗と光沢を最適化し、安全性と美観を長期的に維持できます。
体育館の床は“競技の舞台”を支える生命線
体育館の床は、単なる建材ではなく、選手の体を守る「安全装置」であり、施設価値を高める「資産」です。
安さだけで選ぶのではなく、信頼できるメーカーと適切なメンテナンスを選ぶことが、結果的に最も経済的です。
もし「床が滑る」「沈む」「音が変わった」と感じたら、それは床からのSOS。
弊社では、クリヤマジャパンや松原産業など主要メーカーの床材を取り扱い、現地調査から補修・再塗装まで一貫対応しています。
体育館の床は、子どもたちが未来へ踏み出す“第一歩”を支える場所。
その一歩が安心して踏み出せるように。
今こそ、床の見直しを始めませんか。



















