「家でも本格的にバスケやスカッシュができたら…」
そんな憧れを抱いたことはありませんか?
天候に左右されず、思い立った瞬間にプレーできる。
家族や仲間と汗を流し、笑い合う。
スポーツが“暮らしの一部”になった家は、心まで豊かにしてくれます。
近年、健康志向の高まりや在宅時間の増加を背景に、「バスケットコート」「スカッシュコート」を自宅に設ける家づくりが注目を集めています。
特に別荘地や注文住宅では、「運動空間+くつろぎ空間」を一体化した設計が人気です。
この記事では、
・自宅にスカッシュコートを設けるための建築ポイント
・多目的空間としての活用例(リビング兼用・ホームシアターなど)
・費用・施工の現実的な考え方
・実際の施工事例
を、専門的な視点からわかりやすく紹介します。
自宅にスカッシュコートを設置するという発想
スカッシュは、四方を壁で囲まれた空間の中で、ラケットとボールを使ってプレーするスポーツ。
「屋内で短時間に高い運動量を得られる」「一人でも練習できる」という特性から、ヨーロッパや中東の富裕層住宅では古くから“自宅アクティビティルーム”の定番でした。
そしていま、日本でもこのスタイルが広がりつつあります。
特に、健康志向が高い世代や、子育て中の家庭、在宅勤務中心の世帯に人気です。
「雨の日でも身体を動かせる」「子どもと一緒に遊べる」「週末に友人を招いてリフレッシュできる」――それが、自宅スカッシュコートの大きな魅力です。
建築・設置のポイント:専門設計が欠かせない理由
スカッシュコートは一般的な部屋とは異なり、専用の壁材・天井高・反射角度・強化ガラスなど、専門的な設計が求められます。
専門の建築会社への依頼が必須
まず前提として、スカッシュコートを住宅に組み込む際は、スポーツ施設建築に対応できる専門業者への依頼が欠かせません。
スカッシュ用の壁面は特殊な反発素材パネルで構成され、表面の平滑度や硬度が競技性を左右します。
また、ガラス壁を使用する場合は安全基準に沿った強化ガラス(厚さ12mm以上)を採用しなければなりません。
このため、一般的なリフォーム業者や内装会社では対応できないケースも多く、初期段階での正確な構造計画が非常に重要になります。
設計上の注意点
- 天井高:最低でも6m、理想は7m以上を確保。ボールの跳ね返りと安全性を確保するため。
- 床材:衝撃吸収性とグリップ性能を兼ね備えたメープル材や専用フローリングを使用。
- 壁材:反発性と耐久性を両立した専用パネル。白系で視認性を高めることが多い。
これらを満たすことで、プロ仕様に近い練習環境を再現することができます。
スペースと構造設計:コートのサイズが家の空間を決める
スカッシュコートのサイズは、「長さ9.75m × 幅6.4m × 高さ5.64m」が公式基準。
つまり、そのまま一室をスカッシュコートにする=建物の構造そのものに影響するということです。
間取り設計の初期段階からコートを組み込むことが理想であり、後から追加で造作する場合は天井の抜き構造や梁の再設計が必要になります。
そのため、
・鉄骨造やRC造での建築が望ましい
・木造でも梁を工夫して開放的な吹き抜けを確保できる設計が可能
など、構造選択から検討するのが成功のポイントです。
複数の活用方法:スカッシュだけでは終わらない空間利用
自宅スカッシュコートの魅力は、単に「運動の場」だけでなく、暮らしの中で多用途に使える“多目的空間”である点です。
リビング兼用で空間を最大限に活かす
スカッシュをプレーしないときは、リビングやスタジオとして活用できるような設計も可能です。
可動式のネットや収納式のゴールを備えれば、普段はリラックススペース、週末はスポーツ空間という使い方も。
特に別荘地では、ガラス張りの開放的なデザインで、自然光を取り入れた「森の中のスポーツリビング」のような設計も人気です。
ホームシアターとしての利用
スカッシュコートの壁は平坦かつ反射の少ない素材が使われるため、プロジェクター投影によるホームシアター空間としても活用できます。
大型スクリーンを設ければ、試合の観戦会や映画鑑賞も可能です。
吹き抜け観戦スペースを設ける
2階部分を吹き抜けにし、上階からプレーを見下ろせるようにする設計も増えています。
家族が観戦したり、友人を招いて楽しむなど、スポーツ+交流の場として機能します。
このように、スカッシュコートは「運動×生活×エンタメ」を融合させた空間に変化させることができるのです。
費用と施工の考え方:現実的なプランニングを
自宅スカッシュコートの施工費用は、使用する素材と建物構造によって大きく異なります。
専用壁材や強化ガラスを用いたフルサイズの施工では2,000万円以上になることもありますが、最近では、組み立て式の簡易ミニコートも登場しています。
| コートタイプ | サイズ | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| フルサイズ(公式規格) | 約10m×6.4m×高さ6m | 約1,500万〜2,500万円 | 本格的な競技仕様。鉄骨・RC構造向き。 |
| ミニコート(簡易型) | 約5.5m×4.6m | 約500万〜800万円 | 組み立て式。狭い土地や屋内にも対応。 |
| 多目的ルーム併用型 | 約8m×6m | 約1,000万〜1,500万円 | リビング兼用・ホームシアター併設可能。 |
設計段階で「どこまでの機能性を求めるか」を明確にすると、費用を抑えつつ理想に近いコートを実現できます。
実際の施工事例:理想を現実に変える家づくり
武蔵野市の木造スカッシュコートハウス
東京都武蔵野市に建てられた住宅では、北面に大きなガラスを配置し、自然光を取り込みつつ直射日光を避ける工夫が施されています。
壁は専用パネル仕上げ、天井は木造架構を見せたデザインで、「スポーツ空間でありながら温もりを感じる家」として高い評価を得ています。
また、コートに隣接して前室を設け、試合前後のクールダウンや観戦スペースとして利用できる点も特徴的です。
飯田市の組み立て式ミニスカッシュコート
長野県飯田市では、幅4.6m・長さ5.5mの持ち運び可能なミニスカッシュコートが考案されました。
通常の3分の2ほどの広さながら、本格的な壁反射を再現でき、体験型スポーツイベントなどにも活用されています。
限られた敷地でも「スポーツを身近に感じる空間」を実現した好例です。
スカッシュコートを自宅に持つことの価値
スカッシュは短時間で高い運動効果を得られる上に、全身の筋肉を使うため、健康維持・ストレス解消・親子のコミュニケーション促進に効果的です。
また、バスケットコートと同様に「音を気にせず思い切り身体を動かせる場所」を持つことで、日常の中に“スポーツのある暮らし”が自然に根づきます。
屋内で完結するため、
・天候に左右されない
・夜でもプレー可能
・安全に練習できる
といった利点もあります。
スポーツが生活の中心にある“豊かな家”
自宅にスカッシュコートやバスケットコートを設けることは、単なる贅沢ではなく、「心身の健康を支える投資」です。
リビングやホームシアターと組み合わせた空間設計なら、家族みんなが使える多目的スペースとして価値が高まります。
霜鳥では、体育館・スポーツフロア・住宅リフォームの技術を融合し、「遊び心のある家づくり」をサポートしています。
「いつでもバスケできる家がほしい」
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