雨が続く梅雨の季節、朝の体育館に入ると床がしっとりと湿っている。そんな経験はありませんか?
練習を始めると「滑って転びそう」「ボールのバウンドが鈍い」などのトラブルが発生。
毎日掃除しているのになぜ濡れてしまうのか?
その正体は「結露」と「床下の湿気」。
目に見えない水分が床の内側や下から染み出し、徐々に影響を及ぼしているのです。
放置すれば、滑り事故だけでなくカビ・木材膨張・塗膜の剥離など深刻な劣化を招きます。
この記事では、梅雨時に体育館の床が濡れる原因と、現場でできる具体的な防止策をわかりやすく解説します。
体育館の床が梅雨時に濡れる主な原因
湿度や温度差、床下環境など複数の要因が重なって床は濡れます。
代表的な4つの原因を順に見ていきましょう。
① 結露による床表面の濡れ
梅雨の高湿な空気が、冷たい床表面で冷やされて発生するのが結露です。
特に早朝や夜間など、外気温と床温の差が大きいときに起こりやすく、朝の体育館で床がしっとりしているのはこの現象が原因です。
結露は床の摩擦を下げて滑りやすくするだけでなく、
長期的には木材が湿気を吸って膨張し、塗膜の浮きや床鳴り、反りの原因になります。
補足:ウレタン塗装で守られていても、端部や隙間から湿気が入り込み、表面が波打つことがあります。
② 床下からの湿気上昇
梅雨時には地中の湿気も上昇します。
床下の換気が不十分だと、地面の水分が床板の裏側に滞留し、「下から濡れる」現象が起きます。
古い体育館では換気口が塞がれていたり位置が低すぎたりすることが多く、湿気がこもりやすい傾向にあります。
換気扇や防湿シートがない構造では、湿度80%を超える環境が続き、木材腐食やカビを促進します。
③ 木材の吸湿による膨張と表面水分
体育館の床材に使われるナラやカエデなどの木材は吸湿性の高い天然素材です。
湿度が上がると水分を吸って膨張し、板と板の間に隙間が生じ、そこに湿気が溜まりやすくなります。
膨張と乾燥が繰り返されると塗膜が割れ、内部に湿気が入り込みやすくなり、悪循環に陥ります。
補足:木材の安定含水率は10〜12%ですが、梅雨時には15〜18%まで上昇することもあります。
④ 湿気と汚れの複合作用
湿気と汚れが混ざると「ぬめり膜」が発生し、滑りやすくなります。
靴底の汚れや汗、皮脂、ホコリが湿気に溶けることで、床に油分を含んだ薄い膜を形成するのです。
補足:湿度70%を超えると水分の蒸発が遅れ、汚れが残って“滑る膜”を作ります。
体育館の床が濡れるのを防ぐための実践的対策
梅雨の湿気は完全に防げませんが、「湿気を入れない・滞留させない」工夫で大きく改善できます。
① 適切な換気で湿気を逃がす
体育館は天井が高く湿気がこもりやすい構造です。
定期的に入口・窓を開放して空気を循環させましょう。
外の湿度が高くても、空気を動かすこと自体が結露防止に有効です。
湿った空気を停滞させないことが重要です。
補足:気温差が小さい早朝・夕方の換気が効果的。短時間でも床温と室温の差を緩和できます。
② 除湿機・空調で湿度をコントロール
大型体育館では自然換気だけでは限界があります。
除湿機や空調を併用し、室内湿度を50〜60%程度に保ちましょう。
雨天が続く場合は、夜間タイマーで除湿を継続するのも効果的です。
湿度を安定させることで、木材膨張や結露の発生を防げます。
注意:除湿しすぎると乾燥割れの原因になります。40%以下は避けましょう。
③ 床下換気を強化する
床下換気口の塞がり・汚れを定期的に確認しましょう。
古い体育館では、地面がむき出しのままで湿気が滞留することがあります。
改善策:
- 床下換気口の増設
- 換気ファンの導入
- 防湿シート(フィルム)の敷設
補足:換気口が落ち葉などで塞がると湿気が逃げません。梅雨前点検が効果的です。
④ 清掃は「乾拭き」が基本
湿気の多い時期の水拭きやワックスがけは厳禁。
文部科学省の通達でも、体育館床への水拭き・ワックス使用は禁止されています。
掃除機やダストモップでホコリを除去し、乾いた布で仕上げましょう。
最後に扇風機で床面を送風すると、湿気を残さず安全です。
体育館の床を守るポイントまとめ
- 床の濡れは「構造的問題」であることが多い
- 結露+床下湿気の両面対策が必要
- 除湿と換気の「継続」が最大の鍵
- 清掃は乾拭き中心、水分を持ち込まない
これらを意識するだけで、梅雨時の床トラブルは大幅に減少します。
見えない湿気こそが体育館の大敵
梅雨時に体育館の床が濡れるのは、単なる湿気ではなく建物全体の温湿度バランスの乱れです。
結露・床下湿気・木材の吸湿・汚れの複合作用が重なれば、滑り事故・カビ・反りなど多くの問題を引き起こします。
だからこそ、日常清掃や換気に加えて、床下湿度管理を含む構造的メンテナンスが欠かせません。
弊社では、湿度計測や床下カメラ診断を行い、根本原因を特定して最適な改善策をご提案しています。
体育館の床は地域の「顔」です。
滑る床を放置せず、梅雨の季節も安全で清潔な環境を保ちましょう。




















