雨の日、体育館のフロアに立った瞬間、足裏がスッと滑ってヒヤッとした。そんな経験はありませんか?
梅雨や台風の季節は湿気がこもり、わずかな汗やほこりでも床がツルツルと感じられることがあります。
実際、体育館の床が滑ることで起こるケガや事故は少なくなく、打撲・捻挫・骨折などにつながる危険性も。
学校や公共施設では、「なぜ滑るのか」「どうすれば防げるのか」を正しく理解しておくことが、事故防止の第一歩です。
この記事では、雨の日に体育館が滑る原因と、現場でできる実践的な対策を紹介します。
体育館の床が滑る主な原因
体育館の床が滑る原因は、単に「濡れている」だけではありません。
空気中の湿度・床の状態・使用者の靴のコンディションなど、複数の要素が重なって発生します。
① 高湿度と結露による滑り
雨の日は湿度が上がり、外気温と室温の差によって結露が発生します。
木製フローリングでは表面が吸湿して膨張し、滑りやすくなります。
通気の悪い体育館では床下にも湿気がこもり、塗膜の劣化を早めることもあります。
湿度を下げることは「滑り対策」であると同時に、「床を長持ちさせるメンテナンス」でもあります。
② 汚れ・水分・汗の付着
練習中に飛び散る汗や、靴底についた水・砂・ホコリも滑りの大きな原因です。
汗が床に残ると、ワックス層が柔らかくなり、ホコリが付着して摩擦を失います。
また、窓際の雨の吹き込みや外履きでの出入りも、滑りやすい状態をつくります。
③ 床材・塗膜の劣化
長年使用している体育館では、フローリングの塗膜が摩耗してツヤが失われたり、逆に古いワックスが酸化して滑りやすくなったりします。
ウレタン塗装の床が鏡のように光るようになったら、要注意のサインです。
④ 履物の劣化
意外と見落とされるのが靴底のゴムの硬化。
体育館シューズは使い続けるとゴムが硬くなり、摩擦力が低下します。新品時のようにブレーキが効かなくなり、滑りやすく感じることがあります。
雨の日に滑りを防ぐための運動中の対策
① 汗や湿気はその都度乾拭きで除去
床が濡れたら、乾いた雑巾やモップで即座に拭き取るのが基本です。
水拭きは木材を傷めるうえ乾きにくくなるため避けましょう。
特にジャンプや移動の多い競技(バレー・バスケ)では、こまめな乾拭きが事故防止につながります。
② シューズの靴底を点検・清掃
靴底の溝にホコリが詰まっていませんか?湿ったまま使用していませんか?
練習後にブラシで汚れを落とし、週1回程度の水拭きと乾燥を行うことでグリップ力を維持できます。
③ 滑り止めスプレーやモップシートを活用
市販の体育館用滑り止めスプレーやモップシートを使うと、湿気の多い日でも摩擦力を安定させられます。
ただし、床材によって相性が異なるため、施設管理者に確認してから使用しましょう。
体育館管理者・施設側でできる滑り防止策
① 日常清掃を徹底する
使用後は乾式モップでホコリを除去しましょう。
ホコリは湿気を吸うと粘着質になり、床を滑りやすくします。
特にコート付近・出入口・観覧席下などは汚れが溜まりやすいエリアです。
② 換気・送風機で湿度を抑える
湿度60%を超えると結露が起きやすくなるため、除湿機や送風機を使用して50%前後を目安に管理します。
天井の循環ファンや大型扇風機を使うだけでも、湿気がこもりにくくなります。
③ 定期清掃・再塗装の実施
月に1度は中性洗剤を薄めた水で軽く清掃し、完全乾燥させましょう。
蓄積汚れがある場合は、専門業者による剥離洗浄・再塗装でグリップを回復できます。
④ ワックスの種類に注意
| 種類 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一般ワックス | 光沢を出すための一般用途 | 滑りやすくなる場合あり |
| 滑り止めワックス | 体育館専用。摩擦を回復 | 定期塗布が必要 |
| メンテナンスコート | 保護とグリップ性の両立 | 床材の種類に適合させる |
ポイント:家庭用ワックスはツヤ重視で滑りやすくなるため使用NG。
必ず「スポーツ専用」または「滑り止め機能付き」製品を選びましょう。
床材が古く滑りやすくなった場合のリニューアル
① 塗膜再生・再塗装
既存のフローリングを研磨(サンディング)し、再塗装することで摩擦を回復できます。
学校や市民体育館では10年に1度の再塗装が目安です。
② 床材の張り替え
劣化が激しい場合は、フローリング自体を張り替える選択も。
近年では、湿度変化に強く滑りにくい合成樹脂系床材(例:タラフレックス)が注目されています。
雨の日の体育館を安全に保つために
雨の日の体育館は、わずかな湿気や汚れで滑りやすくなります。
しかしその多くは、日常清掃・湿度管理・装備の確認で防げます。
施設管理者は「環境整備」を、利用者は「装備の点検」を徹底することで、転倒事故を未然に防げます。
「最近滑るな」と感じたら、それは床が発するSOS。
早めの点検とメンテナンスで、梅雨の時期も安心して使える体育館を維持しましょう。

















