体育館の床を改修しようと見積もりを取ったとき、「え、こんなに高いの?」と驚いた経験はありませんか?
見積書の中に記された「タラフレックス」という名前。
スポーツ大会でも採用される有名な床材ですが、その分だけ価格にも幅があります。
しかし、「高い」と感じたその数字には、ちゃんとした理由があります。
タラフレックスの単価は、製品の厚み・用途・輸入コスト・施工条件などによって変動し、見た目の金額だけでは判断できません。
この記事では、「タラフレックスは本当に高いのか?」という疑問に対し、実際の単価・費用内訳・価格差の要因・コスト削減のコツを、現場目線でわかりやすく解説します。
タラフレックスとは?世界大会でも採用される“弾性スポーツ床材”
まずは、なぜこの床材が多くの体育館で選ばれているのかを見てみましょう。
タラフレックス(Taraflex)は、フランスのGerflor社が開発したスポーツ専用弾性床材。
バレーボール、ハンドボール、フットサルなど、国際大会の公式コートとしても使用されています。
最大の特徴は、「クッション性・耐久性・安全性」の3拍子が揃っていること。
選手の足腰への衝撃を和らげ、転倒時のケガを防ぎながら、ボールの反発性やグリップ性も最適化されています。
つまり、タラフレックスは単なる床材ではなく、“選手の体を守る設備”なのです。
タラフレックスの製品単価|海外販売価格をもとにした相場感
海外の販売サイトや輸入情報をもとにすると、タラフレックスの材料単価(製品単価)は次のようなレンジで販売されています。
- 1㎡あたり:約4.5〜18.2ドル(約700〜2,800円)
- 製品シリーズや厚みにより変動(例:Sport M Plus/Evolution など)
- 大量発注時は約2,000円/㎡前後のケースも
数字だけ見ると「意外と安い」と思うかもしれません。
ですが、ここに輸入費・通関費・為替変動が加わり、さらに施工費が別途必要です。
つまり、製品価格=総費用ではない点に注意が必要です。
施工を含めた改修費の目安|1㎡あたり13,000〜15,000円前後
実際の現場では、材料費に加え「施工単価」を含めて考えなければなりません。
体育館やアリーナ改修の実績から見ても、1㎡あたり13,000〜15,000円前後が相場です。
この費用には以下のような工程が含まれています。
- 既存床材の撤去と下地調整
- タラフレックスの敷設・接着
- 競技ラインの塗装・マーキング
- 養生・清掃・最終検査
たとえば、バスケットコート1面(約420㎡)を改修する場合、
およそ550万円前後が目安です。
価格を左右する6つの要因
タラフレックスの価格が「高い」「安い」と言われる背景には、次の6つの要素があります。
① 製品の種類と厚み
厚みやシリーズによって衝撃吸収性が変わり、それに応じて価格も上がります。
| 製品名 | 厚み | 用途 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Sport M Plus | 約7.0mm | 体育館・バレー | 反発・衝撃吸収のバランスが良い |
| Sport Evolution | 約8.3mm | プロ仕様 | 高反発・高安全性 |
| Multi-Use | 約6.2mm | 多目的施設 | 土足対応・イベント兼用 |
② 購入量(スケールメリット)
1,000㎡単位の発注では単価が下がりますが、小規模発注は割高になる傾向があります。
③ 為替レートの影響
タラフレックスは輸入品のため、円安の影響を大きく受けます。
2025年現在も円安基調で、以前より価格が上がっているケースが多いです。
④ 輸入コストと流通ルート
国内ではクリヤマジャパン株式会社が総代理店として流通を管理。
海外直輸入よりもコストは上がりますが、品質保証・施工サポート・メンテナンス対応が得られます。
⑤ 施工条件
床の状態や工事環境により施工費が変わります。
- 下地調整・湿気対策 → +1,000〜2,000円/m²
- ライン塗装 → +300〜500円/m²
- 夜間・短期工事 → +10〜15%増
⑥ 補助金・助成制度の活用
公共体育館などでは「地域スポーツ施設整備交付金」などが利用可能。
補助金を使えば自己負担を2〜3割減らせるケースもあります。
コストを抑える現実的な方法
タラフレックスは高性能ゆえに高価格ですが、VE提案(Value Engineering)によって“価値を落とさずコストを下げる”方法もあります。
- 国産の弾性ビニル床シートとの比較検討
- 下地構造の再利用による施工範囲の最小化
- 張り替えよりも表層改修(トップコート更新)を優先
たとえば、国産代替材やハイブリッド構造を用いることで、性能を維持しながら1㎡あたり2,000〜3,000円の削減が可能なケースもあります。
“高い”ではなく“納得できる価値”を選ぶ
タラフレックスの価格は確かに高めですが、その理由は明確です。
安全性・快適性・耐久性という、数字には表れにくい価値が詰まっています。
一方で、「同等性能の代替品で十分」という判断も正解です。
重要なのは、施設の目的や利用頻度に合わせた選択をすること。
もし、「タラフレックスを導入したいけれど予算が厳しい」「同等性能でコストを抑えたい」
という場合は、VE提案に強い施工業者に相談するのが最善です。
私たちは、タラフレックス正規代理店および国産メーカーとのネットワークを活かし、性能・価格・施工性のバランスが取れた最適プランをご提案しています。
体育館の床は、子どもたちや地域の人々が集う大切な「舞台」。
その舞台を、性能も費用も納得できる形で仕上げる。それが、私たちの使命です。

















