新しい体育館の完成、あるいは長年使ってきた床の改修工事。
そのタイミングで「せっかくだから、中央に校章を入れたい」「学校のロゴをデザインして誇りを残したい」と思う先生方や管理担当者は少なくありません。
体育館の床に校章やロゴを入れることは、単なる装飾ではなく、その学校の歴史・理念・誇りを象徴するものです。
入学式や卒業式、試合、文化祭など、さまざまな行事で生徒たちが集まる場所の中心に、堂々と校章が輝く光景を想像してみてください。
そこには「この場所を大切にしよう」という自然な気持ちが生まれます。
しかし同時に、「どうやって施工するのか」「費用や工期はどのくらいか」「誰に頼めばいいのか」が分からず、実現をためらっている学校も多いのが現実です。
この記事では、体育館の床に校章やロゴを入れる方法、工法の種類、費用感、そして業者に依頼する際の注意点を分かりやすく解説します。
学校関係者の方々が安心して「校章入りの体育館」を実現できるよう、現場目線で丁寧にご紹介します。
体育館の床に校章やロゴを入れる意味とは
体育館の床に校章やロゴを入れることは、単なるデザイン以上の価値を持ちます。
そこには「学校の象徴を共有し、誇りを感じる」教育的な意味も含まれています。
多くの学校では、校章入りの体育館を見た瞬間に生徒の表情が変わります。
式典では一層の緊張感が生まれ、スポーツ大会では「この学校の代表として戦う」という意識が高まります。
また、来校者や地域住民にとっても「丁寧に手入れされた体育館=信頼できる学校」という印象を与える効果があります。
ロゴは単なる模様ではなく、教育の姿勢や地域との絆を象徴する存在なのです。
体育館の床にロゴを入れる方法は3種類ある
体育館の床に校章やロゴを入れる方法は、大きく分けて3種類あります。
それぞれにメリット・注意点・施工期間が異なり、目的や予算に応じて選ぶことができます。
1. 塗装によるロゴ入れ|最も表現力が高く長持ちする方法
体育館の床を研磨し、下地を整えた後、専用の塗料でロゴを描く工法です。
ロゴ部分は美術塗装のように職人が丁寧に描き上げ、最後にウレタンなどの保護コーティングをかけて仕上げます。
この方法は、複雑なデザイン・細かい色使い・グラデーションのある校章も忠実に再現できるのが最大の特長です。
また、塗料と塗膜が床材と一体化するため、剥がれにくく、摩擦や経年劣化にも強い仕上がりになります。
塗装工法は「体育館の中央に大きく校章を入れたい」「プロスポーツ会場のように本格的な演出をしたい」といったケースに最適です。
施工には、塗料の乾燥期間を含めて3〜5日程度の養生期間が必要になりますが、その分、完成度と耐久性は抜群です。
補足すると、塗装仕上げは一度完成すると10年以上維持可能です。
ただし、摩耗や床研磨の際に薄くなってきた場合には、再塗装でリフレッシュできます。
2. シート貼り付けによるロゴ入れ|短工期・低コストで実現可能
もう一つの方法は、高耐久のビニール製シートにロゴを印刷して床に貼り付ける工法です。
施工時間が短く、コストも比較的抑えられるため、予算やスケジュールに制約がある学校に人気があります。
あらかじめ印刷されたロゴを現場で貼り付け、上から保護塗装を施すことで仕上げます。
デザインの自由度は高く、色数の多い校章もきれいに再現できます。
ただし、経年劣化によって端が浮いたり、摩擦によって色が薄くなることがあるため、5〜7年程度での張り替えを視野に入れる必要があります。
短期間でリニューアルしたい場合や、イベント用のロゴを一時的に設置したい場合にも有効な方法です。
最近ではUV印刷や高耐摩耗コーティング技術が進歩しており、以前よりも耐久性の高いシートも登場しています。
体育館の使用頻度や予算に合わせて検討するとよいでしょう。
3. インレイ(はめ込み)によるロゴ入れ|高級感と一体感を追求した工法
最も美しく、そして重厚感のある方法が「インレイ工法(はめ込み)」です。
これは、床材を校章やロゴの形に切り抜き、そこに別の色や素材の床材をはめ込んで一体化させるものです。
まるで床そのものにロゴが浮かび上がるような仕上がりになり、段差もなく、長期間の使用にも耐えます。
塗装やシートと違い、素材そのものがロゴの一部になるため、摩耗しても色あせしにくく、10年・20年単位で美観を維持できます。
ただし、施工には高度な技術が必要で、木質フローリングやゴム床材など、対応できる素材が限られます。
また、コストも高く、一般的な塗装の1.5〜2倍程度になることがあります。
「学校の象徴を永く残したい」「創立記念や新築に合わせて完成度を追求したい」場合におすすめです。
工法別の比較表|目的と予算で選びやすく整理
工法 | 特徴 | メリット | 注意点 | 耐久性 | 費用目安 |
|---|---|---|---|---|---|
塗装 | 専用塗料で直接描く | 高い表現力と耐久性 | 乾燥期間が必要 | 約10年 | 中〜高 |
シート貼り | 印刷シートを貼付 | 施工が早く低コスト | 剥がれや色あせの可能性 | 約5〜7年 | 低〜中 |
インレイ | 床材をはめ込み加工 | 高級感と一体感 | コスト高・素材制限あり | 10年以上 | 高 |
どの工法も一長一短があります。
大切なのは、「何年持たせたいか」「どんなイメージを演出したいか」を明確にしたうえで選ぶことです。
ロゴ入れを依頼する際の流れとポイント
実際に体育館にロゴを入れる際は、次のような手順で進めるのが一般的です。
1. 床の状態を確認する
まず、今の床がどんな状態かを確認します。
木質フローリングなのか、シート系床材なのかによって施工方法が異なります。
劣化が進んでいたり塗膜が剥がれている場合には、ロゴを入れる前に研磨・再塗装などの下地調整が必要です。
床に凹凸や湿気の影響があると、塗装やシートが密着しにくく、仕上がりにも差が出てしまいます。
そのため、専門業者に現地調査を依頼し、最適な施工方法を提案してもらうのが確実です。
2. デザインデータを用意する
業者にロゴを依頼する際は、校章やロゴのデータを用意します。
Illustrator(AI)などのベクターデータが理想ですが、もし手元にない場合は、印刷物や写真などからデータを起こしてくれる業者もあります。
ただし、デザインが細かい場合や色数が多い場合は、塗装よりシート印刷のほうが再現性が高いケースもあります。
どの工法が最適かは、データ内容と床材の相性を見ながら業者と相談することが重要です。
3. 予算と工期を相談する
体育館の使用スケジュール(授業や部活動、行事)に影響を与えないよう、工期を事前に調整します。
塗装の場合は3〜5日程度の乾燥期間、シート施工なら1〜2日で完了することもあります。
予算は工法・面積・デザインの複雑さで大きく変動しますが、目安としては1㎡あたり1.5〜3万円前後。
校章一式では30〜60万円程度が一般的です。
ただし、他のメンテナンス(床の研磨・塗装更新)と同時に行えばコストを抑えられる場合もあります。
4. 専門業者に相談して最適なプランを立てる
「体育館の床にロゴを入れる」施工は、一般的な塗装業者では対応できないことが多く、体育館床の専門業者に依頼するのが安心です。
体育館床の構造・塗料・滑り係数などの基準を理解しているため、安全性を損なわずに美しく仕上げることができます。
近年では、オンラインで「体育館 床 ロゴ 業者」と検索すれば、全国対応の専門業者を見つけることも可能です。
複数社に見積もりを依頼し、施工実績や提案内容を比較して決定するとよいでしょう。
校章入りの体育館は、生徒の誇りを育てる空間になる
体育館の床に校章やロゴを入れることは、「学校の象徴を空間に刻む」こと。
それは単なる意匠ではなく、生徒たちの誇りを形にする教育的な投資です。
塗装・シート・インレイ。どの方法を選ぶにしても、「安全で」「長持ちし」「美しく保てる」施工を行うことが最も大切です。
そして、施工が終わった瞬間、体育館の中央に輝く校章を見たとき、きっと先生も生徒も、「この学校で良かった」と感じるはずです。
もし今、「校章を入れてみたい」と思ったなら、まずは一度、体育館床工事に強い専門業者へ相談してみてください。
あなたの学校の歴史と想いを、床の一枚に永く刻むことができます。




















