体育館でバレーボールをしようとしたとき、こんな悩みを抱いたことはありませんか?
「床に金具が埋め込まれていないからネットが張れない」
「既存の床金具の径が合わず、支柱が入らない」
「他の競技でも同じスペースを使うから、固定式のポールでは不便」
実は、こうした問題は決して珍しくありません。
学校や地域体育館では、用途の異なる複数競技が行われるため、常設の床金具がすべての競技に対応しているとは限らないのです。
そんな時に役立つのが「簡易的な床金具対応」や「ウエイト式支柱」といった可動式のバレーボール設備です。
この記事では、床金具がある場合・ない場合の両方に対応した設置方法や、実際のおすすめ製品、安全に設置するためのポイントを、専門業者の視点でわかりやすく解説します。
床金具の有無で変わる設置方法
体育館でバレーボール支柱を設置する際には、まず「床に金具があるかどうか」を確認する必要があります。
床金具がある場合は、その口径と床下の深さに適した支柱を選ぶだけで簡単に設置可能です。
一方、金具がない場合は、ウエイト(重り)で支柱を自立させるタイプを選ぶことで、工事なしで設営できます。
| 条件 | 推奨タイプ | 特徴 | 主な使用場所 |
|---|---|---|---|
| 床金具がある | 床金具対応支柱 | 強度・安定性が高い | 体育館(常設設備あり) |
| 床金具がない | ウエイト式支柱(簡易タイプ) | 工事不要・持ち運び可 | 体育館・多目的ホール・仮設会場 |
こうして見ると、設置環境に合わせて柔軟に選ぶことが重要であることが分かります。
それでは、次にそれぞれのタイプについて詳しく見ていきましょう。
既存の床金具に設置するタイプ|正しい選び方と代表製品
体育館にすでに床金具が埋め込まれている場合は、その金具の口径(直径)と床下深さに対応した支柱を選ぶことが大切です。
一般的な口径は40mmまたは76.3mm。サイズが合わない支柱を無理に差し込むと、床金具の破損やガタつきの原因になります。
また、床下の深さに応じて高さを調整できるタイプもあり、既存設備にフィットさせやすい設計になっています。
代表的な製品と特徴
- トーエイライト ソフトバレー・バド支柱床下調節式 B2505
40mmの床金具に対応した支柱で、床下サイズを15〜27cmの範囲で無段階調節できます。
学校体育館など、床構造の違いによる微妙な高さ差にも柔軟に対応できる優れもの。ソフトバレーやバドミントンの併用にも最適です。 - 三和体育 バレー・テニス・バドミントン用床金具 S-3790
76.3mm支柱に対応した落し蓋式タイプで、公式競技規格にも準拠しています。
アルミやスチールの支柱にしっかり固定できるため、激しいスパイクやレシーブにも耐える高強度設計です。 - 吉田体機工業 バレー床金具 VT-36(A)
亜鉛ダイガスト製の堅牢な構造で、76.3mm支柱用に対応。
多くの公共体育館で採用されており、施工事例も豊富です。金具の精度が高く、差し込み後のガタつきを抑える設計が特徴です。
床金具タイプのメリット
- 安定性・強度が高く、公式試合にも使用可能
- 一度設置すれば長期間使用できる
- 支柱がしっかり固定されるため、ネットのテンションを強く張れる
注意点
床金具を新設・交換する場合は、専門業者による工事が必要です。
床下構造を知らずに自分で施工すると、床を傷めたり、耐荷重が不足するリスクがあります。
特に木製体育館床の場合は、下地の補強や金具周囲の防水・固定処理が重要になります。
床金具がない場合の設置法|ウエイト式支柱で簡易設営
「床金具がない体育館でも、バレーボールをしたい」
そんな声に応えるのが、ウエイト式(重り固定タイプ)支柱です。
これは、ベース部分に重りを乗せることで支柱を自立させるタイプで、床への工事が一切不要。
設置も撤去も簡単で、学校行事・地域イベント・多目的ホールなどでも使いやすいのが特徴です。
代表的な製品と特徴
- モルテン ソフトバレー支柱 BMPON
重り(ウエイト)で支柱を固定する、ソフトバレーボール向けの支柱セット。
2本セットで販売され、軽量ながら安定性を確保。室内での簡易試合や練習に最適です。
工具不要で設置できるため、女性スタッフでも手軽に扱えます。 - ミカサ ソフトバレーボール 支柱
持ち運びが可能なウエイト式支柱で、ネットとセット販売されているモデルもあります。
高さ調整がしやすく、イベントや体験教室で重宝されます。収納袋付きモデルもあり、体育館や地域センターでの共有備品にもおすすめです。 - トーエイライト ソフトバレー・マルチ補助ポール B6356
40mm支柱用の補助ポールで、高さを簡単に変更できる多用途タイプ。
バレーボールだけでなく、バドミントンやネット遊びにも使えます。軽量で安全性が高く、子ども向けイベントに最適です。
ウエイト式支柱のメリット
- 工事不要でどこでも設置可能
- 持ち運びや収納が簡単
- 床を傷つけないため、体育館やフローリングでも安心
注意点
ウエイト式支柱は、公式試合レベルの強いネット張力には対応していません。
ソフトバレーや軽い練習用途に限定して使用するのが基本です。
また、設置面が滑りやすい場合は、ウエイトの下に滑り止めマットを敷くと安全です。
設置時に必ず確認すべき安全ポイント
バレーボールの支柱は高さがあり、倒れると重大な事故につながる危険があります。
特にウエイト式の場合、安定が不十分だと支柱が傾いたり、プレー中に動いてしまうこともあります。
以下のポイントを押さえて安全に使用しましょう。
- 安定性の確認:設置後に支柱がまっすぐ立っているか、揺らしてみてぐらつきがないか確認しましょう。
- ウエイトの固定状態:重さが左右均等か、十分にかかっているかを確認。
- 使用前点検の習慣:ネジの緩みやキャスターの劣化がないかを定期的に確認。
専門業者に相談すべきケースとは
もし「新しく床金具を設置したい」「既存の床金具が壊れている」「体育館全体で安全性を見直したい」といった場合は、専門業者への相談が最も確実です。
床下構造や材質に応じた設計を行い、耐荷重や安全基準を満たした施工を行うことで、長期的に安心して使用できます。
たとえば弊社のように、体育館床工事やメンテナンスを専門とする業者であれば、
「床の構造を傷めずに床金具を設置する方法」や「ウエイト式でも安定感を高める工夫」など、現場ごとの最適解を提案できます。
用途に合わせて、安全で快適なバレー環境をつくる
体育館の床金具がある場合は、径と深さに合った支柱を正しく選定すること。
床金具がない場合は、ウエイト式支柱を使えば工事不要で設営が可能です。
どちらの方法でも、「安全性」と「設置場所への配慮」を最優先に考えることが大切です。
特に学校や地域施設では、複数の競技が行われるため、設備の柔軟性が求められます。
ウエイト式を導入すれば、体育館をさまざまな用途で効率よく使うことができ、利用者の満足度も高まります。
私たちは、体育館の床構造を熟知した専門業者として、
「安全で、使いやすく、美しい体育館づくり」をサポートしています。
床金具の設置や簡易支柱の導入を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。
経験豊富な職人が、現場の状況に合わせた最適なご提案をいたします。























