体育館でイベントの準備中、照明スタンドや電気ストーブを床に近づけすぎて焦げ跡ができてしまった。
体育の授業中、摩擦熱や器具の接触で黒い痕がついてしまった。
そんな「焦げた!」という瞬間、ヒヤッとした経験がある方も多いのではないでしょうか。
木製の体育館フロアは非常にデリケートで、わずかな熱でも黒く変色してしまうことがあります。
見た目が悪いだけでなく、放置すると焦げた部分から塗膜が剥がれ、そこから湿気や汚れが入り込み、さらに劣化が進む危険性も。
この記事では、焦げ跡を見つけたときに慌てず対応するための「応急補修方法」と、「業者に依頼すべき判断基準」を、具体的な手順でわかりやすく解説します。
体育館の床が焦げる主な原因
焦げの原因はさまざまですが、焦げ方を観察すれば原因をある程度特定できます。
① 熱源による焦げ
もっとも多い原因が照明・ヒーターなどの熱源です。
電気ストーブ、延長コード、舞台用スポットライトなどを床に近づけすぎると、短時間でも木材の表面が焦げて黒く変色します。
体育館の床はウレタン塗装で保護されていますが、この塗膜は80〜100℃以上の熱に弱く、変色や泡立ちが発生します。
見た目が浅い焦げでも、内部の木繊維まで熱が届いていることがあります。
② 摩擦による焦げ
マット運動や器具の移動時の摩擦熱でも焦げ跡は発生します。
重い器具を引きずると短時間で高温になり、茶色い焼け跡が残ることも。
特に金属部分や滑り止めラバーとの摩擦は注意が必要です。
③ 化学反応による“焦げ跡”
焦げに見えても実は薬品による変色のケースもあります。
強いアルコールや溶剤系クリーナーを使用すると、塗膜の化学変化で黒ずみが生じます。
この場合は「焦げ」ではなく塗膜劣化なので、削り直しと再塗装が必要になります。
体育館の床が焦げたときの応急補修方法
焦げの深さによってはDIYでも十分対応できますが、深い焦げは無理せず業者へ依頼しましょう。
ここでは、軽度の焦げへの補修手順を紹介します。
① 焦げた部分を削る
サンドペーパー(240〜400番)で焦げた部分を木目に沿ってやさしく削ります。
焦げが広い場合は電動サンダーを使うと効率的ですが、周囲を削りすぎないよう注意しましょう。
黒ずみが薄くなり、木の地肌が見え始めたら削りを止めます。
補足:削りすぎると艶ムラや段差ができて、塗装後に跡が残ります。
② パテで平らに整える
削った部分に凹みができた場合は、木材用パテを使用して平らに整えます。
ヘラでなめらかに均し、30分〜1時間ほど乾燥させましょう。
乾いたら再度サンドペーパーで軽く磨きます。
補足:パテの色は周囲の床色に近いものを選ぶと、補修跡が目立ちません。
③ 塗装で色を合わせる
焦げを削った部分は色が薄くなります。
周囲に合わせて木材用ステインやウレタン塗料で着色します。
筆や布で少量ずつ塗り、乾かして重ね塗りすると自然に馴染みます。
仕上げに透明なトップコートを塗ると体育館特有のツヤが戻ります。
④ 最終仕上げ磨き
塗装が乾いたら、細目の耐水ペーパー(800〜1000番)で軽く磨き、柔らかい布で拭き上げます。
艶が足りない場合は、仕上げ用ウレタン剤を薄く塗るとより自然な光沢になります。
焦げの深さ別|補修方法の目安
| 焦げの状態 | DIY対応 | 必要な作業 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 表面が軽く黒くなった | ◎ 可能 | サンドペーパー+塗装 | 軽度ならDIYで十分対応可能 |
| 焦げが1mm以上深い | △ 条件付き | サンダー+パテ+再塗装 | 難易度高。経験が必要 |
| 広範囲・焼け焦げ | ✕ 不可 | 部分張り替え・再塗装 | 専門業者での施工が必要 |
焦げ跡を放置するとどうなる?
- 塗膜が弱まり、汚れが付きやすくなる
- 木材内部に熱が残り、焦げ臭が取れない
- 焦げ部分が湿気を吸い、膨れ・割れの原因になる
焦げを放置すれば、見た目だけでなく床全体の劣化が加速します。
早めの補修が床の寿命を延ばすポイントです。
DIYでの補修が難しいケース
焦げが深い、範囲が広い、塗膜が溶けている場合はDIYでは限界があります。
無理に削ると段差ができ、床全体の均一性が失われる恐れがあります。
さらに、熱源が電気系統に関係している場合は再発防止のため電気安全点検も必要です。
専門業者に依頼するメリット
- 焦げ跡をほぼ完全に消し、全体の艶を均一に整えられる
- 研磨・再塗装で段差や色ムラを防止
- 焦げの原因を特定し、再発防止策を提案
- 床構造・塗料の種類に応じた最適施工が可能
学校や公共施設では、美観だけでなく安全基準の維持も重要です。
一部の焦げでも放置すれば全体改修につながることがあるため、専門業者の点検を早めに受けましょう。
プロの補修工程(例)
- 床全体の状態確認と焦げ範囲の測定
- サンダーで均一研磨し焦げ除去
- 専用パテで凹凸補修
- 再塗装(ウレタンまたは水性塗料)
- 乾燥・仕上げ研磨・トップコートで艶出し
これにより、焦げ跡があったとは思えない自然な仕上がりが実現します。
焦げを防ぐための予防策
- ストーブや照明は床から十分離して設置する
- 金属器具や支柱の下に保護マットを敷く
- マットや器具は必ず持ち上げて移動する
- 薬品系クリーナーは使用せず、乾拭きが基本
また、文部科学省の通達により体育館ではワックスがけ・水拭きは禁止されています。誤った清掃が焦げ跡や変色の原因になることもあるため注意しましょう。
焦げ跡は放置せず、早めの対応で床の寿命を守る
体育館の床が焦げたときは、まず落ち着いて状況を確認し、浅い焦げなら削りと再塗装で補修しましょう。
深い焦げ・広範囲の損傷・焦げ臭が残る場合は、迷わず専門業者に相談を。
焦げを早期に対処し、原因を特定して再発を防ぐことで、木の温もりと美しさを長く保てます。
「少しの焦げだから」と放置せず、専門業者による点検・研磨・再塗装を検討してください。
その一歩が、10年先も美しく安全な体育館を守る第一歩です。




















